3-8. テンションコードの押さえ方を知ろう(オルタード)
3-6で、「これはやりすぎ」の例としておいたテンションのコード進行を覚えているかピ?
これだよね!
そのとおりだピ。この、途中で出てきた「レ♯」とか、「ミ♭」のことを、「オルタードテンション」と呼ぶピ。逆に今までのテンションは「ナチュラルテンション」と呼ぶピ。いつものように、名前はどうでもいいピ。
♯や♭がつくとオルタードってこと?
ビンゴだピ!正確には、音符に、ではなくて、テンションの表記に♯や♭がつくとオルタードだピ。
各セブンスコードにおけるオルタードテンション
オルタードテンションは、どこにでも♯や♭をつけてもいい、というわけではありません。
今まで学んできたテンションノート表に、使えるオルタードテンションを加えてみます。
コード | IM7 | IIm7 | IIIm7 | IVM7 | V7 | VIm7 | VIIm7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9th | 9th | 9th | – | 9th | 9th/♭9th/♯9th | 9th | – |
11th | – | 11th | 11th | ♯11th | ♯11th | 11th | 11th |
13th | 13th | (13th) | – | 13th | 13th/♭13th | – | (♭13th) |
一気に種類が増えましたね。オルタードテンションとは、そのキーには存在しない音を使ったテンションノートのことです。ですから、数字の前に♯や♭がつきます。
今回も同じように、使いやすいテンションを赤文字にしてみます。
コード | IM7 | IIm7 | IIIm7 | IVM7 | V7 | VIm7 | VIIm7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9th | 9th | 9th | – | 9th | 9th/♭9th/♯9th | 9th | – |
11th | – | 11th | 11th | ♯11th | ♯11th | 11th | 11th |
13th | 13th | (13th) | – | 13th | 13th/♭13th | – | (♭13th) |
オルタードテンションは使いにくいので、前回から増えたのは「♭13th」にとどまりました。
オルタードテンションに関しては、ああ、そんなのあるんだね~くらいに思っていてください。
コード | CM7 | Dm7 | Em7 | FM7 | G7 | Am7 | Bm7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9th | レ | ミ | – | ソ | ラ/ラ♭/ラ♯ | シ | – |
11th | – | ソ | ラ | シ | ド♯ | レ | ミ |
13th | ラ | (シ) | – | レ | ミ/ミ♭ | – | (ソ) |
前回の記事で、「7(セブンスコード)では、11th以外のすべてのテンションを使用できます」ということを書きました。これもまた一般化して表にしてみます。
9th | 11th | 13th | |
---|---|---|---|
◯M7 | 9th | △ | 13th |
◯m7 | △ | 11th | △ |
◯7 | 9th/♭9th/♯9th | ♯11th | 13th/♭13th |
見ていただくとわかりますが、オルタードテンションはセブンスコードの上でよりクセのあるスパイスとして機能してくれます。他のコードで使えない、というわけではないのですが、今はセブンスコード特有の響きだと考えてください。
前回と同じことを書きますが、重要なのは、「最後は耳で判断」することです。
テンションは、その響きが気持ち悪ければ使わない、かっこよければ使う、それだけのシンプルな話です。
大事なことなので二回書きました。
今まで覚えたテンションを使ってみよう
色々なテンションコードを見てきたけど、イマイチ実用性がわからないよ。
普段あまり使わないだけに、実感がわかないピね。ここでは例として、ボサノバっぽい演奏を聞いてほしいピ。ポップスでもたまに使われる伴奏だピ。
今まで紹介してきた9、11、13のテンションがうまく響いているピ。ちなみに、(6,9)と書いてあるのは、(9,13)と同じ意味だピ。
この章のまとめ
やっぱりテンションは難しいね・・・。
最初はテンションがなくてもかっこいい伴奏がつくれるピから、難しいと思っているうちは無理して使わなくていいピよ。
CHECK
- オルタードテンションとは、♯や♭がついたテンションノートのこと
- ドミナントセブンス・コードでは、たくさんのオルタードテンションが使える
- テンションは耳で聞いて判断しよう