7-1. コードの音域を拡張しよう
なんと5年ぶりの更新になってしまったピ。今日からは少しずつマスタークラスを始めていくピ。まずはコードの音域を拡張していくピよ!
いったい著者に一体何が!でも待ってたよ!さっそく始めよう!
※大人の事情で記事の公開が2017年12月になっていますが、2023年2月に執筆しております。
コードの音域を拡張しよう
以前、こちらの記事でコードは「中央のド」に集めようということを説明しました。
しかしそれはあくまで入門編の基本のお話。ここからは音域を自由にコントロールすることを学びます。
鍵盤の名前をおさらい
さて、中央のドというのは英語ではC3(C4とすることもありますが、このサイトではC3と統一しています)ということをお伝えしていますが、そのオクターブ上のドはC4、そのオクターブ上のドはC5、・・・と続いていき、88鍵盤のピアノではC7までの音域が存在しています。
今まで使っていたのは上図でいうbasicのあたり。もちろん存在している鍵盤はすべて使って大丈夫。C4〜C7の音域も効果的に使っていきましょう!
バンドで抜き出る、元気なC4〜C5音域
まずはC4〜C5あたりの音域を見ていきましょう。C4〜C5というのは厳密にこの範囲というわけではなく、この範囲の音を多く使った伴奏、というくらいの意味でとらえてください。
この音域の特徴は元気でポップな感じ。そしてバンドで演奏する場合も帯域がかぶりにくく聞こえやすい音域です。例として、aikoの『花火』もC4〜C5音域を多く使った伴奏で、全体的にキラキラと元気なサウンドで抜けて聴こえます。
他にもマライアキャリーの『All I Want for Christmas Is You』では、50秒からのイントロフレーズはB3、D4、G4からなるGのコードから始まっていますね。ここはピアノオンリーですが、以降も同じような音域で伴奏を続けています。
イントロや落ちサビに、切ないC5〜C7音域
C5〜C7音域も全体のサウンドの中で抜けて聞こえてくる音域ですが、元気さよりはやや切なさの印象が勝るサウンドになってきます。HoneyWorks『可愛くてごめん』では0:00〜イントロや、2:54〜落ちサビなどでこの音域を使用しています。前者はオクターブで力強く弾いているので元気な感じがしますが、後者はコードで弱く弾くことで切なさを強調しています。
こちらのピアノ奏法については以下の記事でも解説をしています。
参考『可愛くてごめん』の本人演奏から学ぶポップスピアノ伴奏の極意
TOMOO『Ginger』もポップの教科書な大好きな曲。イントロはC4を中心とした元気サウンド、AメロからはC5〜C6のキラキラ切ない音域の伴奏です。Aメロ二回し目はC4〜C5、サビではC3〜C4を中心とした音域とどんどん重心が低くなっていきます。これにより音のエネルギーがだんだん増していくというポップマジック!!これが音域の拡張だよ諸君!!
この章のまとめ
音域を拡張すると、曲の構成をより色鮮やかにできるんだね!
そのとおりだピ。C3中心コードは弾きやすいし聞きやすいけど、やっぱり必然性のある音域移動は聞いてて気持ちいいピ。
CHECK
- コードの音域を拡張してみよう
- それぞれの音域の響きや効果を聴いてみよう
- C3〜C4は重心の低い安定感のあるサウンド
- C4〜C5は元気で明るい感じのサウンド
- C5〜C7はキラキラ切ない感じのサウンド