8-3. キメやおかずを担当する伴奏作り
続・コードオンリーの伴奏から抜け出そう
前回の記事では、ピアノのトップノートを固定してメロディーを活かす伴奏、メロディーと共に動いてメロディーを際立たせる伴奏、の作り方を学びました。
今回はメロディーとの関連に加え、メロディーの隙間でキメやおかずを演奏するパターンを学習します。
藤井風「何なんw」
課題曲その1は藤井風さんの「何なんw」です。聴いてみるとピアノは全編通して8分音符のブロックコードを中心に動いていることがわかります。
ここでは2m06sあたりから始まるサビに注目して聴いてみましょう。ピアノはサビでもブロックコード中心ですが、「何なん」のあとはエレキギターといっしょにキメ(複数の楽器で合わせる特徴的な)フレーズを演奏していますね。また、出だしの音はメピアノのトップノートをメロディーに合わせ「ファ#」に統一することでメロディーラインをより強調しています。
完コピではなくニュアンスですが、以下サビ部分の前半を実際に弾いてみました。
楽譜を見てみるとキメの部分は「ラ – シ – レ – ファ# – ソ – ソ# – ラ、ソ♮ – ファ# – レ」と弾いています。この部分はkey=Dなので、度数で見ると「5 – 6 – 1 – 3 – 4 – 4# – 5、4 – 3 – 1」という音使いです。「1,2,3,5,6」度の音を使うペンタトニックをベースとしつつ、3-5の間を半音で繋いでブルージーな感じを出しています。ポップスでもよく使われる音使いです。このあたりは理論で云々というよりは、いろいろな曲のいろいろなフレーズを実際にコピーして弾いてみるのが引き出しを増やすコツかなと思います!
TOMOO「Ginger」
上記ページでも登場したTOMOOさんのGingerが課題曲その2です。
ここでもサビ(1m00s~)のピアノフレーズを聴いてみましょう。冒頭1小節はブロックコードで小気味のいいハネたリズムを演奏していますが、2小節目、歌が消えるタイミングでおかずのバッキングに切り替わります。以下、サビ頭2小節を簡単に楽譜に起こしてみました。

2小節目フレーズとしては「ソ、ソ♭、ファー、ソ、ソ♭、ファー、」という音使いと、後半は「ソ、ラ♭、シ♭、ド~」という高音のオクターブのおかずも加わります。これは一人では演奏不可能なので、ライブで演奏する際は赤い音符「ソ、ラ♭、シ♭、ド~」は無視するか他の楽器に担当してもらうことになるかと思います。
「ソ、ソ♭、ファー」という音について、ここではコードの構成音として見てみると「(13), (b13), 5」という音使いになります。危ういテンションの音から半音下って5度に落ち着くというフレーズです。
参考エレピのフレーズを弾いてみよう!「上海蟹の朝、琥珀色の街」の場合
こちらで紹介した「上海蟹の朝、琥珀色の街」でもこの「(13), (b13), 5」が頻繁に使われています。
引き出しは無限にあります
課題曲を2曲紹介してみましたが、実際にはこのように曲中にキメ・おかずが入っているパターンは無限に存在します。どのアーティストもそこで個性を出していますね。(こちらの動画でもいろいろなタイプのキメ・おかずフレーズが出てきます。)
とてもすべてのパターンを紹介することはできないので、ぜひみなさんもピアノのコード以外のフレーズに注目していろいろな曲を聴いてみてください!
この章のまとめ
CHECK
- コードだけではないキメやおかずのフレーズに注目して曲を聞いてみよう
- 楽譜を見てみたり、耳コピしたりして実際に弾いてみよう


